「ポーセラーツ」というアートを聞いたことがありますか?
ポーセラーツとは、白い陶器やグラスにシールをデコレーションしたり、専用の絵の具を塗ったりして、オリジナルの食器やインテリアデザイナーを作ることができるアートのこと。
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こちらがポーセラーツです。すごく綺麗ですよね!食事も楽しくなりそうです。
今回はそんなポーセラーツを作っている、ポーセラーツ作家 木口 エリーさんにお話を伺いました。木口さんは2017年頃趣味としてポーセラーツを作り始めました。現在はサロン「efleur(イーフルール)」を立ち上げ、講師としてレッスンをするほか、オーダーメイドで作品を販売しています。
取材では木口さんにポーセラーツの魅力やレッスン内容についてもお聞きしましたので、上の写真を見て「綺麗だな」「私も作りたい!」と思った人は、この記事を読めばきっとポーセラーツに興味が湧くと思います!
ポーセラーツは作っているとき以外も楽しい!
最初に、木口さんのご経歴をお聞かせください。
木口:10代後半はニューヨークで過ごし、大学卒業後は、2020年まで日系大手電機メーカーにて海外人事をしていました。そしてポーセラーツと出会い、一瞬にして魅了され、資格取得後湘南への移住を期に2020年にefleurを立ち上げました。
木口さんのサロン「efleur(イーフルール)」ではどのようなサービスを提供しているのでしょうか?
木口:ポーセラーツ中心としたレッスンとオーダー受注をメインにしている他、東京・神奈川で行われるイベントでは、ポーセラーツやアルコールインクアート※1のワークショップを担当させていただいています。
●レッスン:初めての方向け「体験レッスン」、好きな作品を作れる「フリーレッスン」、商品の販売や開業を目指す方向けの「資格取得コース」などがある
●オーダー受注:兜やお雛様、食器などのポーセラーツ、その他アルコールインクアートやアゲートスライスを使ったアクセサリーなどをカスタムオーダーできる
また、企業様向けには、ホテルや百貨店などにもオリジナル商品を納品させていただいています。
※2021年11月から、ご要望が多いアゲートスライス※2のアクセサリーは「Achatest(アカーテスト)」としてブランドを立ち上げます。
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木口さんが手掛けたアルコールインクアートとアゲートスライス
※1 アルコールインクアート:インクの広がりやにじみ、色の混ざり合いを楽しむアート
※2 アゲートスライス:天然石“メノウ”をイメージし、クリスタルのような高い透明度、強度が特長の国産・最高品質のエポキシ樹脂を使って再現したもの
すごく幅広くサービスを展開されているんですね!主軸のポーセラーツを始めたきっかけは何でしょうか?
木口:娘たちのお揃いのキッズプレートを探していて、たまたまインスタグラムでポーセラーツの投稿を見つけたことがきっかけです。「食洗器も電子レンジもOK!?しかも名前も入れられる。どんなものなのか作ってみたいなぁ」と半信半疑で体験レッスンに申し込みました。すると、2時間程度ですごく好みのお皿ができて、久しぶりに味わう達成感みたいなものがあったんです。その場で、講師になることを決めたほど魅了されました。
ポーセラーツの魅力は何だと感じますか?
木口:お店に売っているような食器や雑貨が誰にでも簡単に作れることだと思います。シールを切って貼るだけですので、絵を描くのが苦手な方でも気軽に取り組むことができます。
また専用の絵の具を使うことも可能なので、初心者から上級者まで、誰もが楽しめ、アイデア次第でデザインは無限大です。世界に一つの手作りプレゼントにもなりますので、おしゃれなお誕生日や結婚式のお祝いとしても大活躍するはずです。
ポーセラーツに没頭する時間は良い気分転換なり、作品が完成したときには、喜びと達成感も味わえます。自宅で実際に使っている間もその余韻で心と生活に彩りをもたらしてくれるでしょう。
”大人可愛い+高級感”を意識している
木口さんの作品の特徴を教えてください。
木口:ほどよく高級感を出しつつ、大人可愛い作品になるように意識して制作しています。
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上はポーセラーツのお雛様です。金色の装飾で高級感は出しつつも、花柄を取り入れたり、髪色も少しピンクがかった色にするなど、「可愛い」も演出できるようにしています。また、ポーセラーツとアルコールインクアートを掛け合わせた作品を作ったりと、ポーセラーツという枠組みに留まらない作品づくりも意識しています。
大人可愛いを意識されているんですね。お雛様も素敵ですね。
木口:お雛様は勝手に「令和のお雛様」と名付けています!陶器なので、丸洗いもできますし、場所も取りません。また、他のインテリアとも馴染むんですよ。お雛様以外にも「兜」や「キッズプレート」も人気です!
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レッスンでも制作できる「兜」。出産祝いに作るケースも多い
アゲートスライスのブランド「Achatest(アカーテスト)」ではどのようなアクセサリーを取り扱う予定ですか?
木口:「大人可愛い」をコンセプトに、20代後半~40代くらいまでの方がおしゃれに身につけられるアクセサリーを作っていきたいと思っています。
すべて一点物なので、形や色味など同じものはありません。高級感があり、大人かわいいをテーマにさまざまな色合いのアクセサリーをお作りする予定です。
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Achatestで取り扱うアクセサリーの1つ。ブレスレットやイヤリングなど、多彩なアクセサリーを取り扱う予定
将来的には人を巻き込んで仕事をしていきたい
今後の展望を教えてください。
木口:「ポーセラーツを主軸に大人かわいいものを提供していく」という軸は変わりませんが、あと何十年と仕事ができることを考えると、時代やニーズに合ったスタイルに変えながら、皆さんにときめいてもらえるように、色々やっていきたいですね。
具体的に今考えていることはありますか?
木口:将来的な話ですが、子育てと仕事を両立させたいママさんだけが集まる、少人数の会社をつくって、さまざまなアーティストや講師と一緒に各種イベントを開催できたら良いなと思っています。また、協会を設立して講師を輩出したり、輩出した講師たちが使う陶器や材料などを工場とタッグを組んで制作したりしてみたいです。オリジナルの柄のシールを自分たちで作って、使用してみるのも面白いかな、と思っています。
お子さん2人を育てながら仕事をしている木口さんが考える、子育てと仕事を両立させるポイントは何でしょうか?
木口:「私たちはチームなんだよ」ということは、子ども達に話しています。私が仕事をしているときは子ども達に協力をお願いして、逆に私に仕事がない日は子ども達と思いっきり遊んで、コミュニケーションを取っています。家族それぞれがお互いの様子を見て大変だったら手伝う、などチームとして協力し合うことは意識していますね。
最後に神奈川イベントプラスの読者にメッセージをお願いします。
木口:神奈川イベントプラスさんが考えてくださるイベントはほんとうに子ども心をくすぐるようなものが多いので、参加した際には楽しんでくださいね!
取材を終えて
木口さんのレッスンの参加者であるママさんたちからは、「こんなに自分のための時間を使えたのはどれくらいぶりだろう」と嬉しい反応もあるそうです。木口さんも参加者のお子さんの面倒を見てくださるそうなので、なかなか自分の時間を取れないママさんにとって、木口さんのレッスンは非常に充実した時間になることでしょう。久しぶりに何かに没頭したい方は是非レッスンに参加してみてはいかがでしょうか。
インタビュワー:庄子 鮎
カメラマン:今井しのぶ(こどもとかめら)