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流星群を眺めたことはありますか?ニュースなどで流星群のアナウンスをしてくれたりしますが、忙しい現代社会ではゆっくり夜空を見上げる時間もなかったりします。
そこで今回は、2023年に観察しやすい流星群をまとめてみました。流星群を見つけやすい日程を把握して、親子で流れ星に願いをかけてみてはいかがですか?
子どもと一緒に夜空を見上げるだけでも、良い思い出になりますよ。
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目次
流星群とは?
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流れ星の正体を知っていますか?宇宙の塵や小さな石などが地球の大気にぶつかって燃えて落ちることから、空の星が流れているように見えます。これが流れ星です。
流星群はこの流れ星が、たくさん流れる現象です。
地球は太陽系の惑星で、太陽を中心に円の軌道を描いています。そして、この太陽系に、円ではなく楕円の軌道を描く「すい星」があります。
「すい星」は長い尾を引くその姿から、日本では「ほうき星」とも呼ばれています。この「すい星」は数㎞から数十㎞ほどの核を持つ小さな天体で、そのほとんどは水でできています。この「すい星」は確認されているだけで3,000以上の数があり、太陽の周りを数年で周回しているものもあれば、数百万年以上かかるもの、太陽には二度と近づかないものもあります。
その「すい星」からはたくさんのチリが放出されています。この放出されたたくさんのチリが地球にふりそそぐとき、地球の大気にぶつかることで激しく燃え上がり光を放ちます。
「すい星」から放出されるチリが地球に届く位置や軌道は密集しているため、地球からはひとつの方角から降りそそいでいるように見えます。流星群は、地球に衝突するその位置を星座の位置と重ね合わせて呼ぶため、「○○座流星群」という名前で呼ばれています。流星群が地球にふりそそぐ位置を、流星群の「放射点」と呼びます。
「すい星」の軌道は周期的なものも多いため、決まった時期に決まった位置から見えやすいのです。そのため、「ペルセウス座流星群」や「しし座流星群」など、特定の周期で良く聞く名前の流星群があります。
また「すい星」から放出されたチリが地球にぶつかる角度がななめすぎると、大気にぶつかるチリの数が減るため、流れ星が少なくなります。同じ流星群でも数や見え方が違うのは、このように地球にぶつかるチリの数の違い、地球から観測する位置、そして「すい星」と地球の軌道と位置に関係しています。
「すい星」の軌道とその尾の軌道、そして地球の軌道は予測できます。そのため、地球のいつどこで流星群を見ることができるのか予測できるのです。
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三大流星群
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地球では毎年、安定して多くの流星が観察できる流星群が3つあり、それぞれ流星群の発生地点付近の星座の名前にちなんで、「しぶんぎ座流星群」「ペルセウス座流星群」「ふたご座流星群」と名付けられています。この3つの流星群は流星の数も多く、観察しやすい流星群です。
[しぶんぎ座流星群]
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「しぶんぎ座流星群」は年の初めに見られる流星群で、流星の数にばらつきがあるため、数を予想するのが難しいとされています。平均すると、ピーク時でだいたい1時間に20から50個くらいの流星を確認できる流星群です。
名前の由来になっている「しぶんぎ座」は、18世紀のフランスの天文学者が名付けた星座で、天体観察に用いられていた四分儀(しぶんぎ)からとっています。1930年に星座が正式に決定されたときに、「しぶんぎ座」は採用されませんでした。そのため、現在ではその付近にある星は、「りゅう座」「おおぐま座」「うしかい座」となり、「しぶんぎ座」は存在しないことになっています。
ただし、「しぶんぎ座流星群」の放射点が「しぶんぎ座」にあることから、今でも流星群の名前として残っています。別名で「りゅう座流星群」と呼ばれることもあります。
[ペルセウス座流星群]
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「ペルセウス座流星群」は毎年、年間でトップの流星数を誇る流星群です。毎年、お盆の時期と重なるので、観察しやすく、馴染みのある人も多いのではないでしょうか。ピーク時で1時間に40個くらいの流星を見ることができる流星群です。
「ペルセウス座」の由来となっているのは、ギリシア神話にでてくるペルセウスです。星座では片手にかかげた剣を持ち、もう片方の手にはメドゥーサの首を持っているといわれています。
ギリシア神話のペルセウスは、大神ゼウスとアルゴス国王の娘ダナエーを親にもつ、半神の英雄です。メドゥーサと戦ったり、いけにえとなっていたアンドロメダーを助けて結婚したりと、たくさんの逸話をもつペルセウスが、アテナによって星座になったとされています。
「ペルセウス座流星群」の放射点はだいたいペルセウスの掲げた片手の肩あたりにあります。明るい流星が多いのも特徴で、放射点から近いほど明るく短い流星が、離れるほど暗くて長い流星が観察できます。
[ふたご座流星群]
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「ふたご座流星群」は12月に見られる一年の終わりを告げる流星群です。毎年ほぼ安定した流星数を見られる、最大の流星群です。ピーク時には1時間に50個程度の流星を確認できます。
名前の由来となっている「ふたご座」は、黄道十二星座のひとつで、ギリシア神話の双子の王子がモデルとなっています。
どちらもスパルタ王妃であるレーダーが母ですが、兄のカストールは父親がスパルタ王テュンダレオースで、弟のポリュデウケースは大神ゼウスが父です。ふたりはとても仲良しの兄弟でしたが、半神である弟は不死身でした。あるとき、兄が争いに敗れて亡くなったときに、弟のポリュデウケースが父であるゼウスに、生も死も二人でともにありたいと願い星座になったといわれてます。
星座では、向かって右が兄のカストル、左が弟のポリュデウケースです。左の弟の頭にある一番明るい星がポルックスで、右の兄の頭にある二番目に明るい星がカストルです。流星群の放射点は、二番目に明るい星であるカストルのそばにあります。
2023年の流星群
2023年に予想されている流星群を月別にご紹介します。流星群を観察するときに、ぜひご参考ください。流星群は決まった方向に出現するわけではないので、方角などは気にせず眺めましょう。月は夜空では大きな光源となってしまうので、できるだけ月の細い夜の方が観察しやすいです。月がある場合は、なるべく背を向けて視界に入り込まないようにすると、星が見やすいです。月明かりの少ない夜に、明かりの少ない場所で、できるだけ広い空が見えるところを選ぶと観測しやすいです。小高い丘や山の上で、夜露や寒さ対策を十分して、親子で寝転がって見るのもおすすめです。
1月
流星群名:しぶんぎ座流星群(三大流星群)
活動期間:2022年12月28日~2023年1月12日
ピーク時刻:2023年1月4日12:00
2023年のしぶんぎ座流星群は極大の時間が日本時間の昼間のため、 ピーク時の観測はできませんでした。見頃の時間帯は4日の未明でしたが、3日が満月のため、見える流星の数は少ないです。東京ですと、午前4時台に月が沈むため、午前5時頃に観察条件が良くなりました。
4月
流星群名:こと座流星群
活動期間:2023年4月22日~23日
ピーク時刻:2023年4月23日10:00
今年の極大は4月23日の10:00頃ですが、22日の夜の月が新月に近い状態のため、22日夜から23日の未明にかけて月明りの影響が小さく、観測しやすい条件となります。
5月
流星群名:みずがめ座η(エータ)流星群
活動期間:2023年4月19日~2023年5月28日
ピーク時刻:2023年5月6日00:00〜未明予定
みずがめ座η流星群は2023年5月6日に極大を迎える予定です。極大の予定は前後する予定がありますので5月5日から5月7日の日程を狙って観測することをおすすめします。GWの後半の日程なので家族で観測しやすいですね。
ただし、この期間中は明るい満月の影響が大きく、流星群の観測には不向きです。月が眩しすぎる時は、満月の観測に切り替えても楽しい時間になりますよ。
6月
流星群名:うしかい座流星群
活動期間:2023年6月22日~2023年7月2日
ピーク時刻:2023年6月28日7:00
規模の小さい流線群で極大の時間帯が7:00であることもあって、ご自身の目で観測するのは難しい可能性があります。
7月
流星群名:みずがめ座δ(デルタ)南流星群
活動期間:2023年7月12日~2023年8月23日
ピーク時刻:2023年7月30日予定
一晩中観察できる流線群です.放射点が少し高くなる23:00頃が観測に適しています。
流星群名:やぎ座流星群
活動期間:2023年7月3日~2023年8月15日
ピーク時刻:2023年7月30日予定
極大時でも1時間に数個観測できるかどうかという小規模の流星群です。
8月
流星群名:ペルセウス座流星群(三大流星群)
活動期間:2023年7月17~2023年8月24日
ピーク時刻:2023年8月13日 17:00頃予定
2023年8月13日にペルセウス座流星群が極大となる予定です。夏の17:00頃はまだ少し明るいですが、この時間帯は1時間に約50個の出現が予想されます。
夏休みのお盆シーズンですので、家族みんなでそろって観測できる良いタイミングです。
蚊などの虫の多い時期になりますので虫除けや長袖などで対策をしながらの観測がおすすめです。
10月
流星群名:りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)
活動期間:2023年10月6日~2023年10月10日
ピーク時刻:2023年10月9日16:00予定
夕方に観測ができる流星群です。
流星群名:オリオン座流星群
活動期間:2023年10月2日~2023年11月7日
ピーク時刻:2023年10月22日9:00予定
日本での2023年の極大予想時刻は10月22日9:00頃ですが、前日21日の23:00頃に月が沈むため、22日の明け方までが観測しやすい時間帯です。
11月
流星群名:しし座流星群
活動期間:2023年11月6日~2023年11月30日
ピーク時刻:2023年11月18日14:00頃
2023年の日本での極大が昼間である事と、また放射点が沈んでいるため、観測は難しい事が予想されています。
12月
流星群名:ふたご座流星群(三大流星群)
活動期間:2023年12月4日~2023年12月17日
ピーク時刻:2023年12月15日 4:00頃
2023年はふたご座流星群の当たり年です。月明かりもなく極大のタイミングが夜間という最高の条件がそろいます。当日が雨で無いことを祈るばかりですが、おすすめの観測時刻は
12月14日の23:00ごろから12月15日の夜明け前までです。天気予報をチェックしつつ、14日の夜に少し夜ふかしをして観測するか、思い切って15日の朝に早起きの観測がおすすめです。
流星群名:こぐま座流星群
活動期間:2023年12月22日~2023年12月23日
ピーク時刻:2023年12月23日13:00頃
極大の時間が昼である事と、満月に向かう月の明かりがあるため、残念ながら2023年の観測条件は良いとは言えません。
まとめ
出典:photoAC
今回は、2022年に観測しやすい流星群についてまとめてみました。
毎年、意外と多くの流星群が観察できるのはびっくりですね!
星の見やすい山などは、夏でも涼しく夜露などに濡れやすいので、しっかり防寒対策をしてくださいね。
親子で夜空を見上げて、流れ星を探してみてはいかがでしょうか。
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