パン好きが高じて、神奈川県綾瀬市でパン教室「neiro(ねいろ)」を開かれた下里さち恵さん。neiroではオーブンがなくても焼ける「おうちパン講座」やneiroオリジナルレシピの「父さん畑パン」のレッスンを開催しています。
neiroのインスタグラムには日々美味しそうなパンが投稿されており、「こんな風に自分もパンをつくれたらな」と思う人も多いはず。
今回は下里さち恵さんにneiroを開かれた経緯や今後の展望などについて詳しくお話を伺いました。魅力的なレッスン内容についてもお聞きしましたので、パンが好きな人は必見ですよ!
目次
「自分のつくったパンでおもてなしをしたい!」直感でおうちパンマスターの講座を申し込んだ
最初に下里さんのご経歴をお聞かせください。
下里:パン教室「neiro」を始める前は専業主婦をしていて、現在小学2年生と4歳になる男の子2人の子育てをしていました。そのあと、ママさんの憩いの場をつくりたいと思い、ベビーマッサージの教室を始め、おうちパンマスターの先生との出会いをきっかけに、おうちパンを教える教室を開きました。
ベビーマッサージ:赤ちゃんに直接触れながら、オイルを使ってマッサージをする。親子のスキンシップも楽しむことができる
ベビーマッサージの教室もされていたのですね!「おうちパン」や「おうちパンマスター」とは何でしょうか?
下里:「おうちパン」は、料理家の吉永麻衣子先生が考案されたパンのことです。おうちパンは、普通のよく知られているパンに比べて、オーブンを使わなくても焼けたり、シンプルな工程で短時間でパンをつくれたりと、忙しいママさんでも手軽に始められることが特徴です。「おうちパンマスター」はそのおうちパンをレッスンで受講生に教えられる認定資格を指します。
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おうちパンの1つ、「ドデカポテトフォカッチャ」。トースターでチンしてつくれます。
パンはもともとお好きだったのですか?
下里:好きです!学生時代もパンが好きだったこともあり、パン屋のアルバイトを4店舗していました。パン教室を始める前も、独学でパン作りを学んでいた時期もありました。
パン教室「neiro」を始めるまでの経緯について詳しく教えてください。
下里:パン教室を始める前、私はベビーマッサージ教室をしていたのですが、そこでたまたま近所に住むおうちパンマスターの先生と知り合い、おうちパンについて知りました。
そのあと、おうちパンの認定講座を見学させていただいたときに、「これを私は探していたんだ!」と感じたんです。おうちパンマスターの資格を取れば、講師としておうちパンを教えるレッスンができます。見学したその日に、講座を申し込みました。そして、無事資格も取れて、パン教室を始めることができました。
直感で「これだ!」と思われ、その場で講座を申し込まれたのですね!何が下里さんを突き動かしたのでしょうか?
下里:もともとパン作りに興味があったのと、自宅でベビーマッサージ教室をしていたときに、マッサージ後に参加者とお茶タイムを必ず設けていました。お茶タイムでは育児の相談や雑談をしたりして、その時間が私はすごく好きだったんです。
そのお茶タイム内では、もともと手作りお菓子などでおもてなしをしていたのですが、おうちパンマスターの資格を取って、「私が用意したパンでおもてなしできたら素敵だな」と思いました。
そのような思いもあり、迷うことなく講座に申し込みました。今では、おうちパンマスターの資格だけでなく、生徒さんをおうちパンマスターに認定できる「シニアおうちパンマスター」の資格も取ることができ、日々頑張っています!
友だちの家に行く感覚で、教室には来て欲しい
パン教室「neiro」が提供しているレッスンについて教えてください。
下里:neiroでは2つのレッスンを開催しています。
●おうちパン講座:ミルクスティックパンや米粉ハムチーズパンなどの「おうちパン」をお伝えするレッスン
●父さん畑パン:野菜を使った下里さんのオリジナルレシピをお伝えするレッスン
どちらも初心者~パン作り経験者までを対象に、教室でのレッスンのほか、オンラインレッスンもしています。
「父さん畑パン」は下里さんのオリジナルレシピをお伝えするレッスンなんですね!名前もユニークです。
下里:主人が畑でつくっている野菜をつかっていることから「父さん畑パン」と名付けました。畑からとれた旬の野菜を取り入れたパンの作り方をお教えしています。始めた当初は生徒さんも、「野菜のパンって何だろう?」という反応もありましたが、リピーターさんも増えてきて、とても嬉しく感じています。父さん畑パンは栄養価も高いですし、カラフルで見た目も可愛いので、個人的にもすごく好きなんです。
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父さん畑パンの「ころころマルゲリータ」。朝ご飯にもピッタリです。
なかなか野菜を食べてくれないお子さんも、父さん畑パンだったら食べてくれそうですね。
下里:そうなんです!「トマトはそのままだと食べてくれないけど、パンにしたら食べてくれた」という声もありました。うちの子ども達も含め、パンにすることで野菜の味が変わったりしますので、パンにしちゃえば野菜を食べてくれる子どもはたくさんいますよ!
父さん畑パンは初のオリジナルレッスンということで、当初は生徒さんから依頼があるか心配でしたが、リピーターさんも増えてきて、始めて良かったと思っています。今後は、父さん畑パンのように旬なパンをつくるレッスンを提供しつつも、年中無休でレッスンができるレシピも増やしていけたら良いなと考えています。
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下里さんが個人的にも大好きだという「ねじりドーナッツ」は年中無休でレッスンしているそう。
レッスンはパン作りの経験がない初心者でも参加できますか?
下里:できます!パン作り初心者の方が教室に行くのって、すごく緊張すると思います。「全然パン作りしたことないし、私が行っても大丈夫かな?」と思っちゃう人もいるのかな、と。
その点、私の教室では堅苦しい雰囲気はなく、どんな方でも楽しくパン作りを学んでいただける環境づくりを意識しています。「友だちの家にパンを習いに行こう!」くらいの感覚で、来ていただけたら嬉しいです。
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レッスンはママさんの子ども同士が楽しく喋っていたりと、和気あいあいとした雰囲気のなか行われるそうです。
家庭と仕事の両立のポイント=頑張りすぎない
小さなお子さんを子育て中の下里さんですが、家庭と仕事との両立をする上で気をつけている点などあれば教えてください。
下里:子育ても仕事もあまり頑張りすぎないことを意識しています。私自身、完璧なお母さんになろうとは1mmも思っていません。疲れているときは、「ママ疲れているから、TV見ててね」と子どもに言うときもあります。ママが疲れていると、子どもにも良い影響は与えないと思うので、子育ても仕事も頑張りすぎないようにしています。
ただ一方で、実は自分のなかであまり「パン教室=仕事」という感覚はあまりないんです。パン教室は「楽しいひとときを皆と過ごす時間」という感覚が強いからかもしれません。パン教室があるから楽しくメリハリのある生活ができているのではないかとも思います。その意味で、自分が楽しめる仕事をすることが、家庭と仕事の両立のポイントなのかもしれません。
今後の展望について教えてください。
下里:あまり背伸びせず、教室運営を今後もしっかりやっていきたいと思っています。
またおうちパンマスターを輩出できる、シニアおうちパンマスターの活動もより力を入れていきたいです。これまでシニアおうちパンマスターとして、3人の生徒をおうちパンマスターとして認定したのですが、彼女たちが楽しくパン作りに向き合えるように、しっかりサポートしていきたいと考えています。
あと今の活動+αの話でいうと、シェアキッチンで自分のお店を1日だけでも持ってみたいなとも思っています。自分自身カフェ巡りが趣味なのもあり、シェアキッチンで自分が焼いたパンなどを提供できたら、すごく嬉しいです。
シェアキッチン:1つのキッチンを複人でシェアしながら料理を提供できる施設のこと
最後に神奈川イベントプラスの読者にメッセージをお願いします。
下里:コロナ禍でなかなかイベント自体が少ないなかでも、イベントプラスさんは積極的に子ども達が楽しめるイベントを考えてくださり、またHP上にてまとめてくださっています。私も微力ですが、楽しいイベントになるようにお力になれればと思っています。コロナ対策もしっかりしてくださっているので、無理のない範囲で、楽しそうなイベントを見つけたらご参加してみてはいかがでしょうか。
取材を終えて
ずっとパンがお好きだったという下里さん。インタビュー中、パンについて楽しそうに語る下里さんを見て、下里さん自身も楽しみながらレッスンをされている姿が目に浮かびました。レッスンには「私がつくった手作りパンだけ子どもが食べてくれない」という悩みを持って来る生徒さんも来るようです。そのような悩みを持つ生徒さんに対し、下里さんは「ママが手作りしたパンは絶対美味しい!コツを一生懸命教えるから!」と火が付くそうで、生徒さんからすると心強い先生でもあるのかなと想像します。パン作りに少しでも興味がある方は、下里さんのレッスンで楽しくパン作りを学んでみてはいかがでしょうか。もちろん、神奈川イベントプラスのイベントにも参加することがありますよ!
インタビュワー:庄子 鮎
カメラマン:今井しのぶ(こどもとかめら)